はじめに。
お店で大量に出る「米ぬか」と「廃油」.....これを使って「米ぬか石けん」を作ろう!と企画が持ち上がったのは、実はずいぶんと前のこと。日々の忙しさに追われ、なかなか実現出来ずに来たこの企画、レギュラースタッフになったぬまっちによってついに日の目を見ることとなりました!
とは言え、なにぶん石けんに関しては素人さん(笑)、店長ミヤザキから託された一枚の雑誌の切り抜き.....そこからぐるぐる調べに調べ、試作から本格的な製作.....思いがけない落とし穴.....いやはや一筋縄ではいかなかったねと、当店手作りの「米ぬか石けん」が出来るまで!ぬまっちの奮闘をぜひお楽しみ下さい。
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型だしから熟成期間

さてさて、試作初日、出鼻は派手に挫かれたモノの、なんとか一矢報いて仕込み完了、ほっと胸をなで下ろすの石けん部長ぬまっちでしたが.....最後に仕込んだ石けんは....ん?いやいや、これがどうして、初試作、なかなかいいんじゃない!(笑)

と、早速ぬまっちヨロシクお願いします。

型だしから熟成期間

さて、仕込みの次の日、いそいそと石けんの様子を伺いますと、表面はしっかりと固まっているようです。しかし型の端をそっと引っぱってみると、まだ型から外せるほどの固まり具合では無さそう....ここは慌てず、さらにもう2~3日置いてからにしよう、と逸る気持ちをぐっとこらえて型だしは先送りに。

そして3日後。仕込みの日からこの数日は、からっと乾燥した空気で心地よい秋日和が続き、これなら鹸化が順調に進んでいるはず、と期待は膨らみます。
リトスタのティータイム時間、再び石けんの様子を見てみると…さらりとした肌のように乾いた石けんの表面、とても綺麗です。型の端を引っぱり確認すると、側面も綺麗に固まっているよう。いよいよ石けんの型だしです。

1)型から出す
coaster_2012s


ざん!

表面はしっかり乾いていますが、全体の固まり具合はどうでしょうか。
側面の4面とも、型の両淵をつまんで外側にびよーんと引っぱり、綺麗に剥がれるか確認します。(この時使った型は、100円均一のポリエチレン製の型。腐食されることもなく、なかなか適度な伸縮性もあり、繰り返し使える…と非常に優秀です。)
いけそうだなと見極めたら、型ごとひっくり返して、両側面をひっぱったり、型の底部分をやさしくとんとん叩いたりして底面部分が剥がれるように促します。
出でよ石鹸!と焦れても、慌てずに。石けんの重みでゆっくり底部分は剥がれてゆきます。ちなみに、この時点で石けんのタネはまだまだ化学反応を起こしている最中。手袋着用で作業です。一見出来上がりの様ですが、直接触れるとまだ鹸化途中の苛性ソーダでやけどの恐れあり、なのです。

coaster_2012s

ざざん!!

ごろん、と出ました!!!
この時の感動といったら…!
周りで店の仕込み作業をしているスタッフみんなに、

ほら、見て見て!石鹸固まったよ!!

と騒ぎたててしまいました。
仕込みのために、廃油を油漉し器でこしたり、米ぬかを用意してくれた、キッチンの、のだみとはまちゃん。仕込みに使うからと牛乳パックをたくさんストックしてくれたスタッフのみんなが興味津々と石けんを覗き込んでいきます。「ちゃんと固まったね〜すごいじゃん、石けんになってる!私の時はなかなか固まらなくてさ。」と店長も嬉しそう。okayanも、「おほほほ!ちゃんと記録しておきな!」と嬉々としているのをみて、なにやら喜ばしい気持ちが充ち満ちてきました。
側面が少し削れてしまったのは、わたしが仕込み翌日に型の端をびよーんとひっぱり、固まり具合を確認した時に、まだ柔らかかったタネが「めこっ」と型にくっついて剥がれてしまったから。確認にも、加減が必要ですね。


2)切り分ける
包丁を使って、ゆっくり真下に押し切りです。

coaster_2012s

coaster_2012s

なかなかの手ごたえで、包丁を押さえる手は痛くなりました。ポイントは包丁を前後に動かすのではなく、あくまで下へ向かって押し切る感じ…硬くなったお餅もこんな風に切りません? ドミノのように並べてほくそ笑みます(笑)。

石けんの表面全体はしっかり乾いているけれど、中の方はまだしっとりと湿度をもっています。切り分けることで、石けんはゆっくりと乾燥を始めるのです。

3)熟成させる
見た目は立派な石けんのようですが、型から出して切り分けたら、さらに4~6週間は熟成させる必要があります。鹸化がおさまり、石けんの質が安定するのはそれ以降なのです。風通しのよい場所でゆっくり寝かせます。

無事に型だしを終え、くろちゃんに報告です。
石けんは綺麗に固まって、型から外したよ!熟成期間が終わったら使ってみようね、次は米ぬかを入れたのも作ってみよう、と盛り上がります。
二人とも、初めての廃油石けん作り....あの日最後に、もうひと粘りした甲斐がありました。何とか次につながる手ごたえを感じられて、ほっと胸をなで下ろします。この感覚を忘れないうちに、もう一度仕込みを!と約束をし、熟成中の石けんを見守ることにしました。

 
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