第27話

The book for the rest of us.

デザインビジネス選書 リトルスターレストランのつくりかた。 選んだのは、職業ではなく、生き方だった。The book for the rest of us.

ご存知の方は、僕がこのコピーを、何を下敷きに思いついたかすぐにぴんと来ると思うんですけど、うん、なんだかそんな気がするんだな(笑)。

たぶんこの本.....「リトルスターレストランのつくりかた。」には、なにも「特別なこと」は書かれてないような気がします。それは、うちのお店が、ある意味「特別な料理」を「特別なサービス」で出すことによって、「特別なお店」になろうとしてない.....出来るだけクオリティの高い「ふつうにきちんとしたお店」を目指していることからも、きっと明らかなんだと思います。

と書くと、なんだか全然つまんない本に見えるな(苦笑)。

でも、僕らの周りの大部分の人たちは....きっと僕らとそう大して変わらない「ふつう」の人たちなんだと思いますし、仕事や生活の中にふつうに楽しみを見出したり、もちろん苦労もしたり.....でも日々を重ねて生きているような、そんな人たち。

だからこの本には、いわゆる「成功するための法則」「繁盛店のヒミツ」のようなものは載っていないように思います。なにより、5年間お店をやってきて.....僕ら自身決して「成功している」「繁盛している」と思ったことがないからですし、平成の大不況もあって、どっちかというと.....「イノチカラガラなんとか続けて来た」というのが正直なところ。でも、そんな「成功もしていない」僕らの話が、でもだからと言って、誰にも届かないというわけでは決してないと思う。

少なくとも、僕らの思いは.....いつも僕らによくして下さっているお客さん、そしてこのページをちょくちょく覗いて下さるみなさんに届いていると思うし、仲のいいお客さんでもあるフリーライターの山本さんから、美術出版社の宮後さんに届き、そしてこの本に関わってくれた方々にもきっと届いたと思うし、そんなみなさんのとてもきちんとした仕事で支えられて.....そうやってこの本が出来上がった。

なにかを達観できる程「成功してしまった人」でもなく、なにもかも諦めてしまった「観念してしまった人」でもない。こんな世の中でも、自分の人生をまだまだ「自分自身の手」で変えていける.....そんな力やチャンスを手にしている(それが辛うじてであっても)......そう思っている、僕らみたいな人たちに、こうしてコツコツ積み重ねてきた僕らの物語がふつうにきちんと届いてくれたらいいなと、きっと届いてくれるはずだと、そう信じたいと思う。

本当にどうもありがとう。

2009年12月11日
とても寒くて暇なランチのあとで。

okayan

そして、この本に関わってくれたみなさんからのメッセージもこちらからご紹介。

「みんなで力を合わせて、一生懸命つくった本」。月並みな言い方かもしれませんが、それに尽きるんじゃないかと思います。この本の1ページ1ページに込められたみんなの想いが、一人でも多くの方に届くことを祈っています。
企画・取材・執筆/山本高樹さん


企画を通してから約半年。異例の早さで本ができたのは関係者の皆さんのおかげです。この本を読むと、全力で仕事がしたくなりますよ〜。
担当編集/宮後優子さん(美術出版社)


とある地域のとある一軒のお店だけを取り上げて1冊の本をつくるという依頼。そんな一見酔狂とも思える企画を通させるリトスタって。そして酔狂はこの本を読むと分かるように出来ています。僕も近所に欲しいぞリトスタ!
AD・表紙装丁デザイン/渡邊民人さん(TYPE FACE)


発売おめでとうございます☆私の受け取った感動が、より多くの人たちに伝わりますように!
本文デザイン/堀内美保さん(TYPE FACE)


「内容に入り込んで読む」。校正者の先輩方にお叱りを受けそうですが、読みながら泣いてしまいました。ずるをしないで日々仕事をしているか自問自答。仕事を見つめ直したい方にもおすすめです。
校正/猪俣麻美さん


こうやって本になってみると、私は自分で思っているよりも、もっと迷いがなくて、勢いがあって、突っ走っていく…泳ぎ続けていないと呼吸ができなくなって死んでしまうマグロのような人なんではないだろうか?(見た目という意味ではありません!)と思いました。…でも、そんな生き方も面白いってコト、本を読んだら分かっていただけるのではないでしょうか? これからも、泳ぎ続ける所存ですよ、ミヤザキは!
リトスタ店長/ミヤザキアサミ


次の春には40になるワタクシ。なにも出来なかったひとりの男が、その「1本のわら」に導かれての10年…仕事の技術と自信と、自分の居場所と小さな夢と、そんなものをこつこつと叶えていく。お店の物語でありながら、実はとても個人的なひとつの成長の物語。「なんだ10年あれば、なんだって出来るんだな!」なんて思ってもらえたらとてもうれしいです。これからもそんな風に生きていけばいいんだよな…だよね?(笑....ちょっと弱気に)
リトスタ名物店員/okayan

 
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